「チューリップタッチ」を読んで 工藤はる代   目黒区議会議員
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2006 年 6 月 6 日     カテゴリ:つぶやき
「チューリップタッチ」を読んで

「チューリップタッチ」を読んで

「これほどに、少女の心の動きに迫ったものがあるだろうか。」
「人は生まれながらにして犯罪者はいない。」
という作者の言葉に引かれてこの本を読み始めました。

 この本は「まちがいを起こす。」という抽象的な言い方と違い、自分の接し方により相手の生き方に影響を与えてしまったことを、少女の経験と心の動きを少女の言葉で語っています。自分自身は傷つかず、都合の良い時だけ手を差し伸べて最後まで責任を持とうとしない大人の偽善の裏にある冷たさをも見抜き、大人への批判を読む側に感じさせました。
 大人と違って一人で生きていくことのできない子どもは、親とは別に信頼の置ける大人の存在が必要なのです。周りの大人がどれだけ子どもに対し、責任を持って向き合っていけるかが子どもの育ちを支える大きな力になるのだと思いました。

 少年犯罪がメディアで大きく取り上げられ、厳罰化が声高に取り上げられる中、統計を見ても少年事件が増えているわけではないようです。件数としては昔から実態としてあるようで、増えているのは逆に軽犯罪(万引きや自転車の盗難など)です。それも検挙率を上げるための重点対策ではないかともいわれています。多くの犯罪を生む根本の原因はやはり、人との信頼関係を築けない社会のありようなのでしょう。
 
 思い悩みながら人は日々を生きていますが、楽ではないけれど人との信頼関係を積み重ねていくことが犯罪者を作らない世の中になるのではないでしょうか。そんな思いを抱いた本でした。
 安心・安全も人に守ってもらうのではなく、他者との関係作りから始まり、人の心に築くものなのでしょうね。




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