H18年度一般会計討論 工藤はる代   目黒区議会議員
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2007 年 10 月 10 日    
H18年度一般会計討論
〜討論原稿をのせました。〜
平成18年度目黒区一般会計決算の認定 賛成討論   
                                  工藤 春代
 企業部門が業績をあげ、景気は緩やかな回復が続いているといわれながら、庶民の日常生活の中での実感は薄く、教育格差や所得格差、東京と地方の格差など格差の広がりが問題となっています。雇用形態は正規職員が減り、パートやアルバイト、契約や派遣社員が増え、若者の長時間労働やネット難民が社会問題化するなど、就労実態の厳しさと安定した収入を得ることが難しい状況です。
 区民生活を見ると介護保険制度の見直しなど社会保障制度の改正や老年者控除の廃止などの税制改正による高齢者の負担増なども見られ、福祉施策や区民生活への影響が大きく、基礎自治体として地方分権を目指しながら、国の制度改革の影響などから、これまでとは違った行政運営が求められ、行政のあり方を問われる結果となっています。

さて、多くの課題を抱えた区政運営の中での18年度の決算ですが、区税はこれまで1割の高額所得者層により約7割の区税収入が支えられていました。今回、老年者控除の廃止等の税改正により各所得階層に影響を与えながらも全体として増収となり、区税の4割から5割を少ない高額所得者層に支えられている構造に変わりありません。そんな中、区税収入の増と都区財政調整交付金も増額になったことから区の歳入は増えていますが、起債残高が多く将来の財政需要に備えるための積立金の少なさは23区の中でも最低レベルで、経常収支比率も79%と高いことから厳しい財政状況が続いています。しかし、目黒区の財政力指数は0.74ポイントと高く、歳入に締める区税収入の割合も41.5%と23区平均よりも高いため、今後、主体的な行政運営に心がけ、財政の弾力性を高める必要があります。この年、基金を積み増したことや区有施設のアスベスト対策を着実に行ったこと、税制等の制度改正により負担増となった高齢者や障害者に対する激変緩和措置として、介護保険利用者負担の軽減や障害者の自己負担の激変緩和措置を行ったこと、学習指導員の加配などは評価していますが、制度改革や社会状況が大きく変化する中、福祉の流れは在宅に向かいながらも制度と実態の乖離が見られることから、今後も軽減策と多様なサービスの定着、障害者の就労の場を広げていくことが必要です。
IT化や社会保障制度改革、民間委託の流れの中、これまでの行政手法では対応しきれなくなっているのが現状で、今後の行政組織のあり方や改革の方向性を検討すべきです。その後で、平成12年に策定した基本構想・基本計画を改めて検証し、目黒区の未来を描き、明確にすること、行財政改革の方向性も見直す必要があるのではないでしょうか。現在、トップマネジメントについて検討しているとのこと、特別委員会の中でも申し上げましたが、社会状況がめまぐるしく変化する中、行政課題が山済みとなり施策の方向性を的確につかむために組織の横断的な対応が求められており、忙しい区長を支えるために副区長二人制を提案します。組織の体制を全庁的に進めるとの答弁もあったが、人材育成、市民との行政のパートナーシップの必要性、職員のコーディネート機能を高めるための意識改革を念頭に協働の取り組みを進めるべきです。協働とは住民自治の本旨であり、補助金を出して区の事業を安上がりに住民にやってもらうこととは違い、住民側も補助金をもらうことを目的とするのではなく自主自立した活動展開をめざし、行政と住民のパートナーシップの下、地域課題の解決の取り組むことです。協働推進課は各課との相談体制を作り、共に協働事業を推進することで組織の充実に取り組んでほしいと思います。

以下、何点か協働の視点で意見要望をのべます。

ハード・ソフト両面を見据えたまちづくりについて
10年で半数の人が転出し住民が入れ替わることや若年層単身者の転入が増え5割を占めていること、ファミリー世帯は転入より転出のほうが多いこと、団塊世代の退職後の転出が多いこと、IT化や社会状況によりコミュニティ形成が難しくなっているため、ファミリー世帯の定住策と住民発意による豊かな地域活動への支援が必要です。区は面的な整備として、都市整備に目を向け、低層で緑豊かな住宅地を作り出していくことが最も重要です。一見ハード面はコミュニティ形成に関係がないように思われますが、緑があることで人の心に潤いを与え、オープンスペースができることで立ち話ができるなど、忙しさの中にも心にゆとりが生まれ、なにより緑が増えることで防災に強い街ができることが最大のメリットです。人が出会えるまちを構造的に作り出し、豊かな地域活動が生まれるようコーディネートしていく必要があり、まちづくりはハード、ソフトの両面を見据えて取り組む必要があります。

また、JR跡地問題については、周辺環境を生かし樹木の保全に心がけ、高齢者や障害者とともに豊かな地域社会が形成できるようプロジェクトを作って進めること

循環型社会の構築と環境負荷の軽減については、拡大生産者責任が確立していない中で製品プラスティックを燃やすことは安全性が確認されておらず、健康と環境に与える影響が心配されています。企業自身の取り組みで製品から製品に循環することが望ましく、一部事務組合と共にリサイクル費用を負担している区は国と事業者に対して積極的に意見を出していくべきです。資源回収の品目を増やしたことは評価するが、今後のリサイクルの方向性を素材ごとに分別し、純度の高い資源として循環させることを目的に、実現に向けて模索してほしいと思います。

介護予防については、現在、いこいの家などを利用し介護予防事業が展開されていますが、理学療法的な視点を持った介護予防事業は確かに効果があり、身体機能の保全や回復に役立っています。少なくとも月に一回は行うべきで対象者の拡大と、定期的な開催が必要です。地域包括支援センターの機能を充実させることと、介護保険外の介護予防事業の拡大を地域活動として生み出していくコーディネートの必要性、また、既存の地域団体「スポルテ目黒」との協働で子育て支援とコミュニティ作りの視点を持った若年世代への取り組みも忘れてはなりません。

最後に安心・安全の取り組みについて、365日の地域安全パトロールの実施や、学校のハード面の充実が進みますが、監視体制が強くなること、パトロールが実施されることで知らず知らずのうちに依存体質が生まれ、自己防衛本能がなくなることを懸念します。また、防犯カメラの設置の流れがありますが、子どもを守る有効な手段なのか疑問です。本当に必要なのは監視ではなく、お金もかからない暖かな見守りの目と地域と学校をつなぐしくみ作り、地域作りだと思います。その意味でも協働の取り組みは重要で、行政の横断的な取り組みと区民とのパートナーシップの下、時には区民の力を借り、ともにまちづくりをすすめていく必要があります。
 
今後、公の施設の大規模改修や改築の必要性もあることから行政コストのわかりやすい公開、さらに、今年の6月に財政健全化法が成立し、将来の負担についても外郭団体を含めた負担率の公表が求められていることから、誰が見ても区の財政状況がわかるよう区民に示す準備を進めることを要望し、賛成討論といたします。



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